北海道・北十勝短角牛。
その赤身の旨味を最大限に引き出すため、今回はヒレとサーロインをドライエイジングしました。
熟成前の出会い


届いたヒレとサーロインのブロック肉。
大まかに肉の表面を整え、脂と筋を丁寧にトリミングしながら、赤身の表情を確かめていきます。
ここでの作業は、熟成後の香りと風味に直結する、大切な工程です。
包む、整える、育てる


肉の表面を清潔なガーゼで包み、空気がまんべんなく触れるよう形を整えます。
これは、表面の乾燥を促し、内部の酵素をゆっくりと働かせるための準備です。
ガーゼを巻いたヒレとサーロインは、冷蔵庫へ。
ここから「静かな時間」がはじまります。
熟成の向こうにあるもの

熟成は、決して魔法ではありません。
温度と湿度の管理、空気の流れ、そして日々の確認。
まるで生き物を育てるような感覚で、私はこの肉たちと向き合っています。
数週間後
外側は硬く乾き、白カビに包まれ、中心には凝縮された旨味と、ナッツのような芳香が育っているはず。
仕上がりがとても楽しみです。
コメント