ー La Campanella 自家製ベーコンの物語 ー
豊かな大地で育った北海道産豚のバラ肉。
脂は甘く、赤身は力強く、そして香りは清らか。
そんな素材に敬意を払いながら、当店では開店以来ずっと「自家製ベーコン」を作り続けています。
ベーコンづくりは、手間暇をかける“時間の料理”。
今日はその一部を、写真とともにご紹介いたします。
① マリネ:香りを纏わせる最初の儀式
バラ肉に各種調味料・スパイスを丁寧に揉み込み、真空パックして効率よくマリネします。
この状態で数日間、冷蔵庫でじっくりと熟成。

肉の水分が抜け旨味が凝縮し、調味料の風味が奥まで染み込む。
ここで“味の骨格”と“香りの方向性”が決まります。
② 洗浄:余分を落として、旨みだけを残す
マリネ後は、表面の調味料をさっと洗い流します。
狙いは“塩味のトーンを整えること”。

強すぎず弱すぎず、肉の甘さがもっとも引き立つ絶妙な塩梅へ。
洗い上がった肉はどこか凛とした表情になり、次の工程への準備が整います。
③ 乾燥:香りと食感を決める大切な時間
スモーク前の乾燥は、ベーコンの質を左右する重要な工程です。
乾燥が不十分だと煙が乗らず、酸味が出て、風味もぼやけてしまう。


スモーカーに吊るした豚バラに温風を当て、ゆっくりと乾燥。
表面が落ち着くことで、煙が美しくまとわりつく“下地”が生まれます。
④ 桜チップでじっくりスモーク
いよいよスモーク工程へ。
当店のベーコンは、開店以来ずっと「桜チップ」にこだわっています。

スモーカーから立ち上る白い煙は、香りそのものが料理。
時間とともに黄金色へ変わっていく肉を眺めていると、
まるで美術作品が出来上がるのを見ているような気持ちになります。

スモークは決して急がず、温度も上げすぎない。
“肉の声を聞く”ように、静かにゆっくりと燻煙を纏わせていきます。
⑤ 低温加熱:しっとりと火を入れて仕上げる

スモークが終わると、均一に低温で火入れ。
ここでようやくベーコンとしての姿が完成します。

表面は琥珀色に輝き、香りは深く、
断面からはしなやかな脂がゆっくり溶け出す。
これこそ、ビストロ カンパネラ の“料理のベース”。
ここから無限の料理が生まれていきます。
⑥ 完成:手間と時間が積み重なった一本
こうして出来上がった自家製ベーコンは、
パスタ、スープ、前菜、メイン料理に至るまで
さまざまな一皿の「影の主役」として料理を支えてくれます。

素材の良さを最大限に引き出す“厨房哲学”が、
もっともストレートに表れる、地味でありながら大切な仕込みのひとつです。
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